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知っておきたい「無縁墓」のこと

「お墓を継ぐ継承者や縁故者がいない」・・・このような現象が大都市圏を中心に増加しています。
こうした、いわゆる「無縁墓」(むえんぼ・むえんばか)については近年、社会問題としても認知されつつあるようです。今回は、無縁墓について詳しく知っていただき、その対策法などについてもお伝え致します。

●無縁墓とは?

お墓は「霊園に土地を買い、ただ墓石を建てるだけ」で終わりではありません。放って置けば、墓石はどんどん汚れていきますし、周りに雑草も生い茂ってきます。そして何よりも、先祖を想い、手を合わせてくれる家族や親族の存在が不可欠です。

「無縁墓」は、このような継承者や縁故者がいなくなってしまったお墓を指します。
このような状態ですと、墓地の管理費も滞納しているケースが多く、いずれは撤去される運命になります。

撤去なんて酷いと思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、お墓の維持費・管理費にはコストがかかります。無縁墓が敷地内に複数存在しているような状況なら、宗教法人や自治体としても対処せざるを得ないのは当然です。

もちろん撤去といっても、どこかにうち捨てられるということはなく「ほかの無縁墓の遺骨とともに合葬される」のが一般的です。撤去の基準は、霊園や墓地ごとに異なりますが、たとえば「1年間立て札を立てて連絡がない場合には撤去」、「5年程度管理費を滞納している場合に撤去」などが行われているようです。墓石が撤去された後は「その土地を借りる権利」が再び売り出されます。

無縁墓の数は、霊園や墓地ごとに異なります。新しくできたばかりの霊園や墓地、あるいはコミュニティーが
強固に機能している土地などであれば、無縁墓があまり見られないこともあります。
一方で、半数近くが無縁墓になっているエリアもあるようです。
現在、大都市圏においては「無縁墓が1つもない」という霊園や墓地の方が珍しい状況といえます。

●無縁墓が発生する理由

・少子高齢化

お墓の管理・継承は、親族や関係者によって行われますが、近年は少子化の影響でそれが難しいケースも
出てきました。従来であれば、子供の数も多く「長男が責任を持ってお墓を守る」というような体制が
整っていました。しかし、少子化に加え、受験戦争、就職難、終身雇用の崩壊などの状況により
「現実的にお墓のことまで手が回らない」というケースが多くなっているのです。

また、これまでお墓を管理していた方の高齢化によって、お墓の管理ができなくなるケースもあります。
高齢になるに従い病気になって長期入院しなければいけない場合もあるでしょう。
さらに、管理者がお亡くなりになれば、その段階で「無縁墓」が生まれる可能性も高まります。

・過疎化

墓参りのタイミングは、年末年始やお盆など年に何回かございます。
しかし、飛行機や新幹線を使うような場合には交通費も大きな負担に。
また、せっかくの長期休暇も体を休ませて終了…という方が多いのではないでしょうか。
事実、都市部で生活している方の中には「もう何年も墓参りに行っていない」という方が珍しくありません。

若い方々が都市部に移り住み、それに伴って過疎地域も多く発生しています。
「過疎化」は都市への人口流入によって、地域の社会機能やコミュニティーが失われている状態を指します。
お墓に関する問題も、過疎化が一因になっているケースが多いようです。
たとえば「お墓のある地域から遠いために、どうしても管理しきれない」「毎年の墓参りすら大きな負担」というご家庭・親族も少なくないでしょう。

・「家」や「家族」に対する考え方の変化

若い方々の間では「家を継ぐ」という考え方そのものが希薄になりつつあります。
これは、戦後から現在にかけて「家や家族への考え方」が大きく変化してきたことを物語っています。

実は、家父長制や、家督といった「家」制度は、少なくとも民法上においては戦後すぐに廃止されました。
現在は核家族化の時代ですので「家を守る」という考え方も育ちにくいのかもしれません。
これも、お墓を継ぐ人が少なくなっている要因の1つに挙げられるかと思います。

●無縁墓にしないための対策

現在のお墓はどこも「無縁墓」に陥る危険性は高いといってよいと思います。
その一方で「生前にお墓を選んで、自分で建てたい」という方も多いのです。
事実「団塊世代向けの霊園開発」も多く、昨今話題になった「終活ブーム」を反映する形となっています。
「無縁墓」のリスクはあっても、ご自分のお墓に関心を持つ方は相変わらず多いようです。
そして、せっかくお墓を購入するならば「無縁墓にしないための対策」は講じておきたいですね。

よく仕事などでは「”ほうれんそう”が大切」などと言われます。こちらは「報告・連絡・相談」という意味ですが、無縁墓にしないためにも「ほうれんそう」は有効です。

もしもご家族がいらっしゃるならば、普段からコミュニケーションをしっかり取ってください。
「こんなお墓を買おうと思うんだけど・・・」(報告)、「そろそろお墓参りの季節だから電話してみたよ」
「こちらは変わりないよ」(連絡)、「よければ、一緒に墓石や霊園を選んで欲しい」
「お墓を買ったら、管理してくれるかい?」(相談)…など。

実際にお墓や霊園を一緒に選べば、ご家族の側にも自然に責任感が出てくるかもしれません。「子供たちにも生活があるし、忙しいのではないか」「なんだか悪い…」などと思わずに、ご自分の希望や思いを、ご家族へ伝えるようにしてください。考えがまとまっていない場合は、お寺や石材店へご相談されるのも良いかと思います。

●お墓の承継者がいない場合について

お墓の継承者がいない場合には「お墓を閉じたり、移したりすること」も検討すべきです。
本山への納骨や、継承者不要の永代供養が可能なプランも登場していますので、
よく検討されると良いでしょう。「継承者不要の永代供養」とは、管理費を一括で前払いすることで
永代供養してくれるプラン。
お墓の継承者がいない場合には、検討する価値があるかもしれません。

また、近年では樹木葬・桜葬、散骨、ダイヤモンド葬など、お墓を必要としない供養の形も登場しております。

●まとめ

「人生の終(しま)い方」は重要な選択ですので、ご本人の希望がなるべく反映されるような形が
望ましいですね。しかし、ご家族に相談したり、プロのアドバイスを仰いだりすることは、より良い選択をする上で大変有益です。

判断ミスや思い込みによって、せっかくのお墓を「無縁墓」にしてしまわないよう、お気を付けください。
そのためには1人で悩まず、積極的に家族や親族、お寺、石材店などに相談してみましょう。

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